年間行事
親睦旅行


『いわて国体応援・3.11被災地の視察ツアー』
組織部長 桜庭 昌吾
日程 平成28年9月30日~10月2日(2泊3日)
概要  岩手県人連合会では、3.11東日本大震災後、「三陸復興祈願、親睦旅行」として3年間、沿岸被災地の応援ツアーを実施してきました。平成28年度は、第71回国民体育大会「2016 希望郷、いわて国体」の46年ぶり岩手県での開催の年でした。岩手県人連合会では200万円の国体開催支援金を贈り応援してきました。今年の親睦旅行は、北上総合運動公園北上陸上競技場での「2016 希望郷、いわて国体」オープニング開会式(10月1日)出席を中心に企画し実施しました。以下概要を記します。
 岩手県から招待された会場の坐席の都合で、6月に30名限定で参加者を募集して、30名が参加しました。開会式には天皇・皇后両陛下のご臨席もあり、警備が厳重で参加者の身分証明もかなり厳しかったです。
 ツアー初日は、9月30日(金)東京駅集合で、新幹線で仙台に行き、そこから観光バスで岩手県入りしました。岩手県内のホテルや観光バスは国体関係で押さえられており、見つけるのに難儀したようです。この日は奥州市水沢区の日本一の茅葺きで有名な曹洞宗東の本山の「正法寺」を見学しました。かつては、永平寺、総持寺に次ぐ第三本山と呼ばれていました。惣門、庫裏、本堂は国の重要文化財に指定されています。大きな伽藍、広い敷地、度肝を抜く大きな茅葺き屋根、岩手県にこんな大きなお寺があったんだと驚きました。
 次に、旅初日の宿、ホテル対滝閣のある西和賀町を訪問しました。副町長の髙橋一夫氏はじめ数名の町職員により町内を案内していただき、感激しました。西和賀町は平成17年に湯田町と沢内村が合併してできた人口6000人余りの町です。1000m級の奥羽山脈に囲まれた豪雪地帯で、一方を秋田県に接しています。旧沢内村は高齢者の医療費無料化と乳児死亡率0%を日本で初めて達成した自治体としても有名です。
 旅2日目、いよいよこの度の主目的である「2016 希望郷、いわて国体」の開会式出席です。朝食を早めにとり、ホテルを8時30分出発、「ほっとゆだ駅」周辺でお土産の買い物を済ませ、一路北上陸上競技場をめざしました。周辺駐車場は予約済の国体関係車輌で満杯です。私達は開会式会場入口で予め郵送されていたIDカードと身分証明書で本人確認されて、11時に一般招待席に着席できました。一旦入場すれば、天皇・皇后両陛下が退席するまで移動できません。
 11時からオープニングイベント開始です。盛岡近辺の数校の高校のブラスバンドの大演奏団が演奏するあまちゃんのテーマソング、北国の春、ひょっこりひょうたん島等岩手県に関わる数々の曲にのって、マーチング、チアリーディングのパホーマンスが大々的に披露されました。
 次に、1000余名の園児、児童、生徒による「わんこダンス」一所懸命に踊る姿に目の潤む感動をいただきました。続いて、500名を越える県民の皆様の演ずる江刺鹿踊り・南部おじゃれ節など郷土芸能がグランドいっぱいに踊られ、見ている者を圧倒しました。県内市町村で採火された炬火を一つにまとめ、炬火台点火に備えました。
 13時少し前に天皇・皇后両陛下がご入場され、式典前演技として「希望の郷から、ありがとう」が園児、小中学生、大人によってグランドいっぱいになって、「ありがとう・Thank you」色々な言葉で岩手から感謝の気持ちを力いっぱい発信していました。大迫力、大感動の場面でした。
 式典は「開式通告・各県選手団入場・開会挨拶 ~ 炬火入場点火」等々約1時間で閉式通告をして、天皇・皇后両陛下が満面笑みでご退席され、式は滞りなく終えました。エンディングイベントは歌手の千 昌夫・新沼謙二が務め、15時30分には終わり、私達もふるさと岩手県の偉大な力に満足して退場しました。
 2日目の宿は、南三陸町の海岸に建つ「南三陸ホテル観洋」でした。2日間の疲れもたまったところで、夕食時、30名で懇親会を持って参加会員相互の交流を深めました。
 3日目は、3.11の震災の悲劇を伝える「大川小学校跡」を視察しました。この学校の児童数は108名で、津波がきた時校庭に避難していた児童は70数名、4名が奇跡的に助かり、74名の児童が死亡、あるいは行方不明でした。教員は1名助かり、10名が亡くなっています。校地に接して木の生えた裏山があり、体験学習などで山に入ったりしていたようです。避難するには極めて適当な環境にあったのに何故ここへ避難しなかったのか良く理解出来ませんでした。学校の前には大きな北上川が流れています。学校は海から約4kmで、海抜1,2mの立地です。津波は川を遡上するものです。運が悪ければ大きな津波ではここの学校まで津波が来ると想定できなかったのが悔やまれます。子どもをなくした只野さんと言う保護者の方が語り部として悔しい思いを切々と語ってくれました。学校がまず第一にやるべきことは子どもの命を守ることでした。今となっては、学校と市と県の教育委員会が精一杯被災者の心に寄り添うことです。二度とこのようなことが起こらないように祈るのみです。
 ツアーの最後は、日本三景の松島を見学して、仙台駅から新幹線やまびこ52号で帰京し解散となりました。46年ぶりの岩手県開催のいわて国体に幸運にも巡り会い、開会式に出席して応援できました。3日間晴天で、参加者一同にとって、心に残る感動の岩手県人連合会親睦旅行でした。
参加者 30名

 
   
 
   
 
   
 
   
   
 
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